項目を減らせば件数は増えるが、それで解決するとは限らない
「フォームの項目が多いから問い合わせが来ないのでは」というご相談は、かなりの頻度でいただきます。結論から申し上げると、項目を減らせば件数は増える方向に働きます。ただし増えるのは、まだ検討が始まっていない相手からの連絡も含めた総数です。
BtoBの場合、問い合わせの数より、営業が追いかけるべき相手かどうかの判別のしやすさが効いてきます。氏名とメールアドレスだけのフォームにすると、一次返信で会社名と用件を聞き直すことになり、その往復のあいだに相手の熱が冷めます。減らした手間が、後工程に移っただけです。
考える順序は、「何項目にするか」ではなく「一次返信を書くために最低限必要な情報は何か」です。そこから逆算すると、項目数はおおむね自然に決まります。
BtoBのフォームに本当に必要な項目はどれか
弊社がBtoBのサイトでお勧めしている構成は、必須5項目前後です。会社名、氏名、メールアドレス、電話番号、用件。ここに「ご検討の内容」を自由記述で添えます。業種によって、希望納期や想定予算の選択肢を足すこともありますが、必須にはしません。
項目の必須・任意・不要の分け方
一次返信を書くために必要かどうかで判定します。社内の管理都合で増やした項目は、後で聞けば足ります。
| 項目 | 扱い | 理由 |
|---|---|---|
| 会社名 | 必須 | 法人か個人かで対応が変わる。調べる手がかりになる |
| 氏名・メール | 必須 | 返信の宛先。これが無いと何も始まらない |
| 電話番号 | 必須か任意 | 急ぎの案件で効く。任意にすると入力率は下がる |
| 用件の区分 | 必須(選択式) | 見積・相談・採用・取材などで担当部署が分かれる |
| 検討内容 | 任意(自由記述) | 書いてくれた相手は温度が高い。必須にすると逆効果 |
| 予算・納期 | 任意 | この段階では決まっていないことが多い |
| 部署・役職・住所 | 不要 | 商談が始まってから聞けば足りる |
上記は弊社の案件での目安です。受注後の手続きが重い業種では必須が増えることもあります。
「用件の区分」を選択式で置くことは、意外に効果があります。採用や取材の問い合わせが営業の窓口に混ざると、両方の対応が遅れます。区分で分かれていれば、自動で担当に振り分けられます。
離脱はどこで起きているのか
項目数そのものより、入力中に起きる小さな事故のほうが離脱を生みます。全角でしか受け付けない電話番号欄、郵便番号を入れると住所が入らない、送信を押したら上まで戻されて何がエラーか分からない。こうした作りは、入力し終えた直前で相手を手放します。
入力途中で離脱させない6つの条件
いずれも制作時に決めておけば追加費用なしで満たせる項目です。
弊社では、公開前に必ずスマートフォン実機で1件送信し、自動返信まで確認しています。
確認画面は入れるべきか
確認画面は1ステップ増えるため、離脱の要因になります。一方でBtoBでは、送信前に内容を見直したい相手が一定数います。弊社では、用件の区分が「見積・相談」の場合は確認画面を置き、「資料請求」のように内容が軽いものは1画面で完結させる、という分け方をしています。
確認画面を置くなら、修正して戻ってきたときに入力が残っていることを必ず確かめてください。ここが壊れているサイトは珍しくありません。
送信後の画面と自動返信で何が決まるか
見落とされやすいのが、送信した直後です。「送信しました」だけの画面で終わると、相手は返信を待つしかなく、その間に他社にも問い合わせます。弊社では、送信後の画面と自動返信メールに、次の3点を入れることをお勧めしています。
送信後に伝える3点
返信を待つ時間を、相手の不安ではなく検討の時間に変えます。
いつ返信するか
「2営業日以内」など具体的に。土日の扱いも書く
何が送られたか
入力内容を控えとして再掲する。言った・言わないを防ぐ
待つ間に読めるもの
事例や進行の流れのページへ1〜2本だけ案内する
自動返信が迷惑メールに入って気づかれないことも頻発します。送信後の画面に「自動返信が届かない場合は迷惑メールフォルダをご確認ください」と一行添えるだけで、問い合わせの取りこぼしが減ります。
フォーム以外の窓口を併記するか
電話番号を併記すると、フォームの件数は減ります。ただし総問い合わせ数は増える傾向があります。急ぎの相手は電話を選ぶためです。受電体制が取れるなら、電話番号と受付時間を明記したほうが機会損失は小さくなります。
逆に、受電できない時間が長い場合は、電話番号を大きく出さないほうがよいこともあります。かけて出なかった経験は、フォームの使いにくさより強く記憶に残ります。
改善の効果はどう確かめるか
フォームを変えたあとは、件数だけを見ないでください。見るべきは、件数と、そのうち商談になった件数の2つです。件数が1.5倍になっても商談数が変わらないなら、営業の工数だけが増えています。
件数は少なくても商談率が上がる形が、BtoBでは有利に働くことが多いです。これは弊社の案件での傾向で、商材の単価や検討期間によって最適な形は変わります。
弊社では、サイト制作やLP制作の際に、フォームの項目設計から自動返信の文面まで含めてご提案しています。既存フォームの点検と改修のみのご依頼も承っています。
